“伝える人”から“変える人”へ─講師というキャリアの新しい可能性

ガイアシステム専務・青木に聞くインタビュー「仕事論」。第1回のテーマは 「講師というキャリアの新しい可能性」 です。
いま、研修講師というキャリアは大きな転換期を迎えています。
単に知識を伝えるだけでは組織は変わらず、これから求められるのは、“学びの後の行動変化”を生み出せる講師 ではないでしょうか。
今回は、まさにその道を志す方に向けたメッセージをお届けします。
現場を変える講師とはどんな存在なのか。
そして、講師というキャリアにはどんな未来が広がっているのか。
“伝える人”から“変える人”へ——。
その進化のために必要な視点と、キャリアとしての新しい可能性について紹介します。
研修は一過性であり、“機会をつくるだけ”では変わらない
「研修って、本当に意味があるんですか?」
企業の人事担当者から、そんな声を聞くことがあります。
その疑問は、決して的外れではありません。
むしろ私たちは、その感覚を痛いほど理解しています。
なぜなら―研修とは、結果を問うがゆえに、ときには残酷さを伴うものだからです。
多くの研修は「実施したこと自体」に価値を置きがちです。
いうなれば、
「機会はつくるが、責任は持たない」
という構図が、暗黙の前提になっているのです。
しかし、1日・2日の研修で人が変わることはありません。
研修とはあくまで“きっかけ”。
本当に重要なのは、その後の現場で行動変化を起こせるかどうかです。
ガイアシステムは、研修を
「企業の課題に深く入り込み、共に結果を出すプロセス」
と定義しています。
登壇して終わりではなく、研修後の定着支援、改善サイクルの提案、現場のフォローまで含めて伴走する―。
その姿勢こそが、95%を超えるリピート率につながっています。
“知識”ではなく“経験”で語るということ
私たちがもう一つ大切にしているのは、「知識だけで話さない」ということです。
人材育成の世界に“正解”はありません。
10人いれば10通り、10社あれば10通りのアプローチが必要です。
知識は「高確率の手法」であり、重要な材料ではあります。
しかし、それはあくまでも“参考値”。
現場に本当に必要なのは、
「自分が同じ立場ならどうするか?」を徹底的に考え抜く力です。
その問いを、現場に入り、悩み、ぶつかり、乗り越える中で積み重ねてきた人だけが、
“血の通ったリアリティ”を持って語ることができます。
“経験で語る講師”と“知識で話す講師”の決定的な違い
これまで数多くの講師と研修を共創してきた中で、強く感じてきたことがあります。
それは、「知識で話す人」と「経験で語る人」には、決定的な差がある ということです。
知識で話す講師の言葉は整っていても、心に深くは届きません。
一方、経験で語る講師の話には、説得力と熱量があり、聞き手の心を揺さぶります。
たとえば、わずか1年のマネジメント経験だけで語られるリーダー論は、どうしても薄くなりがちです。
人とぶつかり、挫折し、乗り越えた“厚み”がなければ、アドバイスは表面的になります。
時には、的外れで危険なものになることさえあります。
“深みのある講師”になるために必要なのは、学びより実践
では、経験で語れる講師になるために必要なものは何か。
答えは一つです。
「学ぶだけでなく、実践の現場に飛び込み続けること」
扱うテーマを自ら体験し、現場の人と同じ目線で挑戦する。
ときに失敗し、悩み、また挑戦する。
その積み重ねによって生まれる“実感”こそ、講師の言葉に深みを与えます。
経験とは、地味で、時間がかかり、手間のかかる学びです。
しかし、それこそが“本物の講師”の土台になるのです。
「知識を伝える講師」から「現場を変える講師」へ
ガイアシステムが目指しているのは、
単に「知識を伝える講師」ではありません。
私たちが育てたいのは、
「企業の現場を、本気で変えられる講師」です。
研修はあくまで入口。
本当の仕事は、そのあとに訪れる“現場変化の伴走”です。
だからこそ、
- 企業の課題を自分ごととして捉える
- 現場改善に本気で関わる
- 結果にコミットする
そんな講師を育て続けています。
研修を“きっかけ”で終わらせず、 “結果”で語れる講師を増やすこと。
それが、私たちガイアシステムの使命です。
最後に ― 講師の仕事は「伝える」ことではなく、「変える」こと。
人の心が動く瞬間。
組織の行動が変わる瞬間。
企業文化が少しだけ前に進む瞬間。
その場に立ち会えることが、講師という仕事の最大の醍醐味です。
研修は残酷です。
しかし、だからこそ――向き合う価値があります。
もしあなたが、
“知識”ではなく“経験”で語れる講師を目指すなら。
ここに、その道があります。


青木 佑介(Yusuke Aoki)
株式会社ガイアシステム 専務取締役
With+ウィズタス 教育研修事業 事業統括責任者
エグゼクティブコンサルタント
大学時代は、心理学・リーダーシップ論を専攻、2006年新卒で入社。人材総合コンサルタントとして、派遣・紹介・社員採用を通じた様々な企業サポートに従事。入社2年で50名が所属する大阪支社副責任者に抜擢。2008年、同グループのNPO法人の立上げに携わり、ソーシャルビジネスや企業CSRのコンサルタントとしても活躍。2009年、神戸本社にて教育事業部を立ち上げ、事業部の責任者を担いながら、自身も人財育成・組織マネジメントコンサルタントとして、年間100社、2000名、延べ約1万2千人の人材育成に携わる。自身の実体験から見出されたリーダーシップ論、組織マネジメント論は、数多くの経営者・リーダーから支持を受けている。最近では、従来の研修ベンダー会社では対応できない、企業の幅広いニーズに応え、社会のリーダーの輩出に数多く寄与する。2019年より同社専務取締役に就任。2020年同グループ会社である株式会社ガイアサイン専務取締役に就任。







