人と向き合う日々の中で、大切にしていること

今回は、弊社の研修講師・岡本に「研修の場以外で、日頃から意識して取り組んでいることはありますか?」という質問をしてみました。

岡本は、研修講師として現場に立つ一方で、社内では講師陣を束ねる部長という立場でもあります。日々多くの人と向き合う中で、どのような意識を持ち、どんな点に気を付けて日常を過ごしているのか。
その一端を聞いてみました。

講師業に携わる方はもちろん、部下を持つ管理職やリーダーの方にとっても、日々の関わり方を見直すヒントになる内容です。ぜひご覧ください。

本記事に回答した研修講師
研修講師 岡本

岡本 好市
株式会社ガイアシステム 研修事業部長
現場に寄り添った対話型の研修を強みとし、受講者の行動変容につながるプログラム設計を行っている。また、NPO法人の職員も兼務し、災害支援の分野にも継続的に携わっている。

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人との関わりは、意識的に時間をつくる

仕事の中では、社員や部下との面談を定期的に行っています。
役職や部署に関わらず、普段あまり接点のない社員に対しても、こちらから意識的に声をかけ、状況やモチベーションの確認をするようにしています。

業務の進捗確認だけで終わらせるのではなく、最近感じていることや、仕事をする中での引っかかりなども含めて話してもらうようにしています。
短い時間であっても、相手が「話してよかった」と感じられる場になることを意識しています。

こうした面談は、相手のためであると同時に、自分自身のトレーニングでもあります。
・限られた時間の中で、どのような問いかけをすれば本音が出てくるのか。
・どのタイミングで深掘りし、どこで一度話を止めるのか。
・相手が安心して話せる空気を、どうつくるのか。
毎回同じ形にはならないからこそ、常に考えながら向き合っています。

また、こちらが話しすぎないこと、結論を急がないことも意識しています。
相手の言葉を待ち、受け止める姿勢そのものが、信頼関係につながると感じているからです。

結果として、社内で面談を行っている回数は、他の社員よりも多いかもしれません。
人と向き合う時間を「業務の合間」ではなく、意識的につくること。
その積み重ねが、講師として、また人を育てる立場としての基礎力を支えていると感じています。

プライベートでは、子どもとも「面談」をする

プライベートでも、人と向き合う姿勢は大きく変わりません。
小学2年生と6年生の子どもがいますが、2〜3か月に一度、あえて「面談のような時間」をつくるようにしています。

形式ばったものではありませんが、最近楽しかったこと、嫌だったこと、少し引っかかっていることなどを、一つずつ丁寧に聞いていきます。その出来事について、「なぜそう感じたのか」「どの場面が一番印象に残っているのか」を問いかけながら、気持ちを言葉にする手助けをします。

子どもは、自分の感情を整理し、言語化することがまだ得意ではありません。
そのため、こちらが急いで結論を出したり、評価したりしないことを意識しています。
話すペースや言葉の選び方に気を配りながら、安心して話せる空気をつくることを大切にしています。

こうした時間を通して感じるのは、感情を引き出すには「聞く技術」以上に、「待つ姿勢」が重要だということです。
相手の言葉が出てくるまで待ち、受け止める。
その積み重ねが、対話力を磨くための大切なトレーニングになっています。

日常の中でのこうした関わりが、人の気持ちに向き合う感覚を鈍らせないための、よいトレーニングになっていると感じています。

子どもの習い事を通じて、親御さんとの対話を大切にする

子どもが所属しているサッカーチームでも、親御さんとのコミュニケーションを意識しています。
自然な流れに任せるのではなく、受け身になりすぎないよう、自分から声をかけることを大切にしています。

練習や試合の合間に、「今日はこの人と話してみよう」と心の中で決めてから声をかけることもあります。
話題は子どものプレーやチームのことに限らず、仕事のことや日々の生活、考え方や価値観など、少し踏み込んだ内容にも広げていきます。

最初は何気ない会話でも、やり取りを重ねるうちに、
相手が大切にしていることや、物事の捉え方、人となりが少しずつ見えてきます。
同じ出来事でも、立場や背景が違えば受け止め方が異なることを、こうした場面で改めて実感します。

こうした日常の対話は、特別な準備が必要なものではありませんが、多様な人を理解する力を養う、貴重な機会だと感じています。
何気ない会話の積み重ねが、人と向き合う際の引き出しを増やし、研修やマネジメントの場面にも自然と活かされていると感じています。

社内プロジェクトでは、あえて前に出る

社内で新しいプロジェクトが始まる際には、できるだけリーダーやマネジメントの役割に立候補するようにしています。
経験値を増やすことは、何よりも重要だと考えているからです。

プロジェクトが動き出すと、必ずしも正解が見えているわけではありません。
限られた時間やリソースの中で、何を優先し、どこまで踏み込むのかを判断する場面が続きます。
そうした状況に身を置くことで、自分自身の判断の癖や、視野の狭さにも気づかされます。

チームでは、メンバー一人ひとりの得意分野や不得意分野を見極めながら、どの役割を誰が担えば全体として力を発揮できるのかを考えます。
個人の能力だけでなく、組み合わせや関わり方によって成果が大きく変わることを、現場で何度も実感してきました。

もちろん、すべてが思い通りに進むわけではありません。
想定していた通りに動かなかったり、判断が後手に回ったりすることもあります。
そうした経験を振り返り、次にどう活かすかを考えることも、大切なプロセスの一つです。

うまくいかないことも含めて、その一つひとつが、人をまとめ、意思決定を行う立場としての学びにつながっていると感じています。

情報は「量」よりも「深さ」を重視する

本や動画から情報を得ることもありますが、数を追うことはあまりしません。
それよりも、「これは」と思ったテーマを、徹底的に深掘りするようにしています。

たとえば、USJ創業者の話を視聴する際も、冒頭の30分を何度も見返すことがあります。
その理由は、派手な成功談や結論だけを追うのではなく、意思決定の前提や、言葉の裏にある「背景」をつかみたいからです。

見返すたびに確認するのは、次のような観点です。

・なぜその判断に至ったのか(前提は何だったのか)
・どんな制約やリスクを背負っていたのか
・相手(顧客・社員・組織)は、何を求めていたのか
・もし自分が同じ立場なら、何を優先し、何を捨てるのか

こうして深掘りしていくと、最初は「なるほど」で終わっていた話が、だんだん自分の言葉として整理されていきます。
さらに、学びをそのままにせず、日々のコミュニケーションやマネジメントの場面に落とし込んで試してみたりします。

情報は、なぞるだけだと知識で終わります。
一方で、背景まで理解し、自分の現場で検証してはじめて、判断力や再現性のあるスキルになります。

この「深く理解して、現場で使える形にする」という考え方は、研修づくりにも直結しています。
表面的なノウハウ紹介ではなく、受講者が自分の状況に当てはめて考え、行動につながる学びに変換できるように、日頃から、インプットの段階でその土台をつくることを大切にしています。

まとめ

いかがでしたか。

今回ご紹介した5つの取り組みは、どれも特別なスキルや環境が必要なものではありません。
日常の中で人と向き合い続けること、その積み重ねこそが、研修の土台になっていることが伝わってきます。

仕事でも、家庭でも、地域でも。
立場や関係性が変わっても、「相手の話を聞く」「背景を考える」「言葉になるまで待つ」という姿勢は一貫しています。
その姿勢が、研修の場での落ち着いた進行や、受講者一人ひとりに向き合う関わり方につながっているのかもしれません。

こんな岡本講師の研修に興味を持たれた方は、ぜひ一度、実際の研修をご検討ください。
現場に即した内容と、対話を大切にした進行で、参加者それぞれが「自分ごと」として学べる時間をご提供しています。

研修内容や実施形式についてのご相談も承っております。
お気軽にお問い合わせください。

講師プロフィール

岡本 好市(おかもと こういち)

ガイアシステム 岡本講師

企業向け研修では、チームビルディング・コミュニケーションプログラムを主に担当し、業種・業界・階層問わず年間約100回以上の研修を実施。企業内での研修カリキュラムの仕組み構築や研修トレーナーの育成、新卒採用強化のコンサルタントとしても活躍している。

情熱を持って受講者に接し、モチベーション向上と前向きな行動変容を促せるよう研修を展開。顧客に寄り添い、成長をサポートする熱意あふれる指導者として多くの支持を得ている。

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