接遇研修とは?接遇スキルを身につけてワンランク上のサービスを!

接遇研修では、接客マナーを身につけるだけでなくお客様が求めるものをこちらが察知し、それに柔軟に対応する力を身につけることが大切です。今回は、接遇スキルを身につける(高める)ために必要なことや意識しておくべきことなどを解説します。
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接遇研修とは
接遇研修とは、顧客や取引先に対する「接遇力」を高めることを目的とした研修であり、ビジネスマナーや言葉遣いの習得はもちろん、相手に寄り添ったおもてなしの姿勢を磨くことに重点が置かれます。
接客が必要なサービスを提供する行為であるのに対し、接遇はそこに思いやりや気配りを加え、顧客に感動を与える対応を意味します。このスキルは業種を問わず普遍的に求められるものであり、研修を通じて身につけることで、クレーム防止やコミュニケーションの円滑化に役立ち、結果的に顧客満足度や企業価値の向上につながります。
なお、接遇と接客の違いについて気になる方はこちらを参照ください。
関連記事:接客と接遇の違い|常連客を増やし店舗を繁栄に導く「接客接遇」の極意

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なぜ接遇研修が必要とされるのか?
企業が接遇研修に力を入れる背景には、市場環境の変化と、それに対応するための明確な目的があります。ここでは、接遇研修を実施する主な目的について解説します。
顧客満足度の向上とリピーターの獲得
商品の品質や価格だけでは差別化が難しくなった現代において、顧客満足度の向上は企業の生命線です。質の高い接遇は、お客様に「大切にされている」という実感を与え、満足度を飛躍的に高めます。そして、満足度の高い体験は、お客様の再来店や再購入、すなわちリピーター化に繋がります。リピーターは安定した収益基盤となるだけでなく、優良な口コミの発信源ともなり得ます。
競合他社との差別化による企業ブランドの構築
市場が成熟し、類似した商品やサービスが溢れる中で、お客様は何を基準に選ぶのでしょうか。その答えの一つが「人」による応対品質です。心地よい接遇体験は、お客様の記憶に深く刻まれ、「あの会社のサービスは素晴らしい」「次もあの人から買いたい」という強い印象を残します。このようなポジティブな体験の積み重ねが、競合他社にはない独自の強みとなり、企業のブランドイメージを確固たるものにしていきます
接遇研修のメリット

接遇研修を導入することは、企業に多岐にわたるメリットをもたらします。ここでは、代表的な4つのメリットについて具体的に見ていきましょう。
企業のブランドイメージが向上する
従業員一人ひとりの立ち居振る舞いは、そのまま企業のイメージとしてお客様に伝わります。全従業員が高いレベルの接遇スキルを身につけることで、「応対が丁寧な会社」「信頼できる会社」といったポジティブなブランドイメージが社会に浸透します。良いブランドイメージは、新規顧客の獲得や優秀な人材の確保においても有利に働きます。
従業員の主体的な行動を促せる
接遇には、マニュアル通りの対応を超えて、「お客様のために何ができるか」を自ら考え、行動する主体性が求められます。研修を通じてこのマインドが養われると、従業員は指示待ちではなく、自律的に課題を発見し、解決策を実行するようになります。このような主体的な従業員が増えることは、組織全体の成長にとって大きな力となります。
また、従業員の主体的な行動を促すためにできることとして、下記を紹介します。
関連記事:ジョブクラフティングとは?「やらされ感」のない職場を目指す!
働きやすい職場づくりにつながる
接遇スキルは、顧客やお客様のためだけのスキルではありません。接遇の対象は、社内外のスタッフにも有効です。一緒に働くスタッフや部下や上司への関わり方や気配りが良いと、それだけでも「働きやすい職場」になります。
そして、お互いが相手への心配りを意識することで、業務の効率化や仕事に対するモチベーションアップにつながり、結果的に企業の利益向上が期待できます。
クレーム防止になる
接遇スキルを使いこなすことができれば、常に「顧客(お客様)の想定する一歩先のサービス」を提供することができます。また、言葉遣いや態度、表情などからも相手に不快感や違和感を与えることがなくなるため、万が一相手に対して不利益なことがあったりミスが起こってしまったとしても、大きなクレームを防ぐことができます。
接遇研修のカリキュラム

代表的なカリキュラムを2つご紹介させていただきます。
接客接遇研修|基本接客スキルトレーニング・接客マニュアル編
目的と効果
- 接客接遇に必要な考え方と心構えを理解する
- 体験型プログラムにより即現場で活かせる基礎接客スキルを身につける
- 感動を与えるおもてなし接客の極意を学ぶ
こんなお悩み解決します!
- 従業員の接客力が二極化しているため底上げをしたい
- 接客マニュアルはあるが従業員に落とし込めていない
- お客様からのクレームがあり改善していきたい
- 接客力を高め、お客様満足度を高めたい
テーマ | 詳細内容 |
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1.理想の接客とは | ・年齢、地域、業種別のお客様が求める接客とは ・接客をする前に必要な心の作り方 |
2.第一印象の重要性 | ・最初の4秒で決まる第一印象の3原則とは ・「好印象付け」をするための10の法則 ・誰もが陥る、無意識的実践の怖さ |
3.基本接客スキルトレーニング | ・印象の良い笑顔の作り方とトレーニング方法 ・アイコンタクト、声の大きさとトーンの基礎練習 ・声がかけられやすくなる待機姿勢と挨拶の極意 ・1対1の接客スキルと1対複数の接客スキルの違い |
4.おもてなし接客スキルを高めるために | ・アプローチサービスとリスニングサービス ・気配りと心配りを高めるための3つのポイント ・アイコンタクトは取りにいくもの:観察力の重要性 ・「感動」こそがおもてなしの本質 |
5.現場で活かすための接客マニュアル | ・接客マニュアル刷新する上での注意ポイント ・接客マニュアルを浸透させるためのノウハウとは ・心とスキルを高めるための仕組みについて |
6.まとめ・総括 | ・ワークショップ:明日からの実践を整理する |
接客接遇力向上研修|販売員スキルアップ
目的と効果
- 接客接遇に必要な考え方と心構えを理解する
- 体験型プログラムにより即現場で活かせる接客スキルを身につける
- 感動を与えるおもてなし接遇の極意を学ぶ
こんなお悩み解決します!
- 従業員の接客力が二極化しているため底上げをしたい
- 接客マニュアルはあるが従業員に落とし込めていない
- お客様からのクレームを改善したい
- 接客力を高め、お客様満足度を高めたい方
テーマ | 詳細 |
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1.理想の接客とは | ・年齢、地域、業種別のお客様が求める接客とは ・接客をする前に必要な心の作り方 |
2.お客様との信頼関係を築く | ・ラポールとは・信頼を築くラポール10戒 ・信頼段階とは(関心、好感、信頼、尊敬) |
3.基本接客スキルとおもてなし接客スキル | ・基本接客の振り返りとおさえるべきポイント ・接遇力を高める3つのポイント 「観察力、思考力、行動力」 ・お客様の心を掴む「感動」を届けるスキル |
4.シミュレーショントレーニング | ・ロールプレイングの効果と実施方法 ・【ロープレ練習】ファーストアプローチ 「第一声の声かけなど」 ・【ロープレ練習】リピーター獲得アプローチ ・お客様からの情報を引き出す接客練習 |
5.現場で活かすための接客マニュアル | ・接客マニュアル刷新する上での注意ポイント ・接客マニュアルを浸透させるノウハウとは ・心とスキルを高める仕組みについて |
6.まとめ | ・総括 【ワークショップ】明日からの実践を整 |
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接遇研修で学ぶ主な内容

一口に接遇研修といっても、その内容は多岐にわたります。企業の課題や受講者のレベルに応じてカスタマイズされるのが一般的ですが、ここでは多くの研修で共通して扱われる基本的な内容を紹介します。
接遇の基本となる5原則を学ぶ
接遇の土台となるのが「接遇5原則」です。これは、お客様に好印象を与え、円滑なコミュニケーションを築くための基本要素であり、研修の最初に学ぶことがほとんどです。
詳しくは次の章で紹介します。
場面を想定したロールプレイングで実践力を養う
知識として学んだことを実際の行動に移すためには、実践的なトレーニングが不可欠です。ロールプレイングでは、受付、案内、商品提案、お見送りなど、実際の業務で起こりうる様々な場面を設定します。受講者は「従業員役」と「お客様役」に分かれて応対をシミュレーションし、講師や他の受講者からフィードバックを受けることで、自身の強みや課題を客観的に把握し、改善に繋げます。
クレーム対応の正しい手順を習得する
クレームは初期対応が極めて重要です。研修では、まずお客様のお話を真摯に聴く「傾聴」の姿勢から学びます。その後、お詫び、事実確認、解決策の提示、感謝といった一連のプロセスを、具体的なフレーズと共に習得します。感情的になっているお客様に対し、冷静かつ誠実に対応するための心構えとスキルを身につけることで、いざという時にも落ち着いて行動できるようになります。
クレーム対応で重要な「傾聴力」について詳しく知りたい方はこちらを参照ください。
関連記事:傾聴力は誰でも身につけられる!習得方法やコツ・注意点を解説!
接遇マナーの5原則

身だしなみ
身だしなみは、相手に与える印象を決める大きなポイントとなります。
身だしなみについての考え方は人それぞれ違いがあります。ですが、「相手に不快感や違和感を与えないようにすること」「関わる相手やTPOを意識して服装や髪型を考えること」が特に大切です。髪型、髪の長さや髪の色、ヒゲが伸びているか、マニキュアは華美になっていないかなど、全体的に清潔感のある状態を心がけましょう。また、最近では香りについても控え目なものや無臭である方が良い場面が多いため、香水の使い方にも気をつけることをオススメします。
あまり意識しすぎると「堅苦しい」「しんどい」と思われる方がいるかもしれません。また、経営者の方によっては「気にしなくて良いよ」と言われるでしょう。しかし、まずは基本を押さえた状態で相手とコミュニケーションをとり、そこから相手に合わせて変えていくのが理想です。
挨拶
挨拶も、相手に与える印象に大きな影響を与えます。初対面の人とのコミュニケーションも挨拶から始まるため、意識するようにしましょう。
また、挨拶は単純なコミュニケーションや第一印象を決めるためのものだけではありません。自分から相手に挨拶することで「あなたのことを認識していますよ」という意思表示になります。来店があった時や商談などのビジネスの場では自分から積極的に挨拶するだけでも、その後の相手の行動を変えることにつながります。
「挨拶をしたかしていないか」がクレームや商談時の評価に繋がってしまうこともあるため、大きな声でハキハキと挨拶をすることは意識しなくてもできるぐらいになっておいてよいでしょう。
表情
相手の顔をみた時「あ、この人は喜んでいるんだな」「いいことがあったのか」「体調が悪いのかな」「何か怒っているのかな」など、自分なりに相手の情報や状況を推察することがあります。それは、表情を読み取ろうとしているからです。
それだけ、表情が相手に与える印象や影響は大きいと考えて良いでしょう。また、どれだけ言葉遣いや行動が素晴らしくても表情がよくないと相手に違和感を与えてしまい、相手との距離を生んでしまうことになりかねません。
しかし、「表情を作るのが苦手」という方は多くいます。無理やり表情を作っても、それが自然なものでなければ逆効果になることもあるでしょう。そういった方には、日頃から自然な表情が身についてくるポイントを意識して生活することをオススメしています。
一番意識しておくと良いのが、「口と目」です。口角を上げて目尻を下げるだけでも、柔らかく自然な表情を作ることができます。自然な表情を作ることが苦手な方の多くは、「口は笑っているけれど目が笑っていない(逆パターンもあり)状態です。
マスクを外す機会などが増えてくるからこそ、自然な表情を作る練習をしておきましょう。
話し方
私たちの声は生まれ持ったものであり、不自然に声色を変えて話をすることは逆効果になります。ここでいう話し方とは、言葉を主観で捉えるのではなく相手にどのように伝えるかを意識するということです。
「自分はそのつもりじゃなかった」と思ったとしても、相手への伝わり方が悪ければ不信感や不快感につながるでしょう。相手を傷つけることなく、自分の思いや意見を伝える言葉選びや伝え方を意識することが、話し方を意識する上で重要です。
近年、言葉の意味や使い方が若者によって変わり、それが辞書でも使われることが増えています。しかし、言葉の意味や有効な場面・相手を理解していないままに安易に使うのは危険です。今一度、自分が使っている言葉の意味や使う相手が適切かどうかを検討してみてはいかがでしょうか。
態度
接遇マナーにおける「態度」は、立ち居振る舞いとも言われます。こちらの気持ちを相手に伝えるために重要であり、どれだけ言葉や伝え方が上手くても態度が悪ければ意味はありません。
態度は、普段の行いや行動・感情が無意識に出てしまいます。急に身につくわけではありませんので、日頃から気をつけておくようにしましょう。
研修実施時のポイント
最後に、研修を企画・実施する際に覚えておきたいポイントについて解説します。
研修の目的とゴールの明確化
どの研修でも同じことですが、研修の目的とゴールは関わる全員が理解しておくようにしましょう。参加している人が、研修の途中で「結局何のための内容なのか」などの疑問を抱いてしまうと、それだけで研修に対してのモチベーションが下がってしまい無駄に終わってしまいます。
そして、接遇研修を受けることによるゴールはどこか、どこを目指して学べば良いのかという方向性を示すことで、参加者それぞれが効果的に学ぼうとする動きにつながります。常に目的とゴールは共有しておき、意識できるようにしておくことが大切です。
効果測定・定着への考慮
研修は、カリキュラムを全てこなせればOKというわけではありません。研修後の効果測定やスキルの定着を意識してフォローを心がけることで、より確実に身につけることができます。特に、アフターフォローについては積極的に研修などを行うと良いでしょう。
失敗しない接遇研修の選び方
数多くある接遇研修の中から、自社にとって最適なものを選ぶためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。
自社の業界や課題に合ったプログラムを選ぶ
接遇のあり方は、業界や業種によって異なります。例えば、ホテル業界と医療業界、小売業界では、お客様が求めるものや適切な対応が大きく異なります。研修会社を選ぶ際には、自社の業界での研修実績が豊富か、また、自社が抱える「言葉遣いの乱れ」や「傾聴力の不足」といった具体的な課題に対応したプログラムを提供しているかを確認することが重要です。
介護業界における接遇の在り方について知りたい方はこちらを参照ください。
関連記事:介護施設の強みになる!利用者満足度を高める「接遇」とは?
講師の実績や専門性を確認する
研修の質は講師の質に大きく左右されます。講師のプロフィールを確認し、どのような業界でどのような経験を積んできたのか、指導実績は豊富かといった点を確認しましょう。可能であれば、研修会社に依頼して、事前の面談や体験セミナーに参加するのも良い方法です。講師の話し方や人柄、価値観が自社の社風と合っているかを見極めることも、研修の成功には欠かせません。
研修会社への外部委託で”濃い研修”を
今回は、「接遇スキル」についての解説でした。「おもてなしの心」や接遇という言葉が耳に馴染み始めており、多くの企業では接遇研修を導入しています。どの業界でも活用できる反面、実際に身につけたスキルを従業員一人ひとりが現場で活かすことは難しいところもあるため、準備からアフターフォローまでを一貫して丁寧にサポートすることが、この研修を成功させるためのカギと言えるのではないでしょうか。
ガイアシステムでは、研修経験豊富なスタッフが各企業の実情や「学ぶべき内容・削っても良い内容」を研修担当者様と一緒に精査し、アフターフォローまでを考えた研修カリキュラムをご提案します。
これから接遇研修を導入したいとお考えの方、すでに研修をしているけれど効果があまり見られない方など、ぜひお気軽にご相談ください。
ガイアシステムの接遇研修は課題に応じたカスタマイズが可能です。
カリキュラム例については接遇研修 をご確認ください。