ジョブクラフティングとは?「やらされ感」のない職場を目指す!

企業や組織は、日々従業員が高いモチベーションを維持し、やりがいを持って活き活きと働けるような環境・状況作りを目指した経営を心がけています。しかし、単純に「やる気を高めよう」「モチベーションをあげよう」としても、あまりうまくいかなかったり効果が期待できない可能性があります。

ジョブクラフティングとは
 

「ジョブ・クラフティング」の基本知識や認知や行動を主体的に修正し「やらされ感」を「やりがい」にかえる方法などを解説します。ワーク・エンゲージメントを確保できる職場づくを目指してみませんか?

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ジョブクラフティングとは

ジョブクラフティングとは やりがい

まずは、「ジョブクラフティング」とは何かを理解しましょう。

「どのような意味なのか」「どのような目的があるのか」「どんな効果があるのか」を知ることで、自社それぞれの組織でどのように導入すれば効果的かを考えることができます。

ジョブクラフティングの定義

ジョブクラフティングは、従業員一人ひとりが仕事を主体的に捉え直すことによって、やりがいを持って働くことができるようサポートするための手法であり、自分の仕事に対して、自信とやりがい・こだわり、プロとしての責任を持ち、質の高い仕事を行うための意識のことです。

日々の仕事に従事する中で「与えられた仕事」をこなすだけ(受け身)では、仕事のモチベーションは低下しがちです。その結果、仕事に対しての成果が上がらず会社や組織の業績も落ちてしまうでしょう。特に、上司や先輩からの指示や会社のルールによって”やらされ感”が強くなると、さらに能動的になってしまいモチベーションや仕事に対して前向きな思いを持って取り組むということは考えづらい状況です。

仕事そのものに対して、”やらされている”という感覚を取り除き「自分でやっている」という”やらされ感”のない意識に変えていくことが、ジョブクラフティングの定義と言えます。

ジョブクラフティングの目的

①仕事を見つめ直すこと

ジョブクラフティングを組織や企業で導入する大きな目的は、「それぞれが仕事を見つめ直すことで意義を見出してもらうこと」です。前述しましたが、目の前の仕事を”単なる作業”として捉えるのではなく、作業の目的や誰の役に立っているかを考えることで、任された仕事の意味を自分なりに定義することが大切です。そのため、「やらされているのではなく、誰かのための仕事だ」と考えることができれば気持ちを切り替えることができるでしょう。

②仕事の意義を再定義する

仕事を見つめ直すに当たって、「自分は何のために仕事をしているのか」「どんなことに喜びを感じているのか」を考えることで再定義することが大切です。また、今の仕事が自分の価値観や喜びとどのようなつながりがあるのかを意識すると、「自分にとって仕事とは」を考えることができます。

③人間関係に対する意識とアプローチが変わる

ジョブクラフティングの目的には、社員間のコミュニケーションや良好な人間関係を築くことも挙げられます。職場の同僚や仕事の関係者を仕事に取り組む仲間として捉えることで、社内外で良好な関係性を築きやすくなります。人間関係が良好であれば、その職場で仲間と働くことに対して前向きになるだけでなく、業務遂行がスムーズになり周囲からの協力を得やすくなります。

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ジョブクラフティングが注目されている理由

ジョブクラフティングが注目されている理由

次に、ジョブクラフティングが注目されている理由を解説します。

それぞれの理由は、自社の解決すべき課題として考えられている内容と一致するものがあるかもしれません。ぜひ、自社の状況と照らし合わせつつ考えてみましょう。

企業・組織と従業員の関係性が変わった

ジョブクラフティングは、自分の仕事の関わり方を見つめ直すことによって「仕事の経験を意味付けていく」ものです。

昔からの体制が根付いている会社組織では、多くの従業員が「この仕事をする意味は何か」ということを考える必要はほとんどありませんでした。目の前の仕事をこなせば組織から解雇されることなく、自然と承認・昇進が約束されていることがほとんどだったからです。

しかし、終身雇用制度がなくなり長引く不況やテクノロジーが進化したことで、従業員と会社組織の関係性は大きく変わりました。つまり、組織から与えられた仕事をこなすだけではキャリアアップすることなく、場合によっては戦力外になってしまうことも珍しくありません。そのため、自分の経験や日々の仕事をしっかりと意味付けることが重要な時代になったためです。

仕事が複雑化した

ジョブクラフティングが注目される理由には、近年の仕事の複雑化も考えられます。これまで、従業員は組織から与えられた仕事をこなすだけで成果を得られることが多くあり、「仕事を通じて貢献している自分」を感じることができました。しかし、最近では仕事が複雑化したり主体的な動きを求められるようになったことから「仕事を与えられること」がほとんどなくなりました。そのため、「自分のやったこと=成果」とは言えないようになっていること、自分の仕事の意味や意義を感じることが困難になっています。

今後、従業員には「主体的に動くこと」がますます求められます。仕事のやりがいを見出し、活き活きと働けるようにしていくためにジョブクラフティングはさらに注目されるでしょう。

仕事の個業(個人)化

近年の会社組織において求められる人材の特徴として、「主体的に動く」ことが挙げられます。主体的に動くというのは、与えられた仕事だけをこなすのではなく、自分で仕事を見つけて動くことであり、一人でどんどん利益を上げるような人とも言えます。そのため、会社組織に属していながら、仕事は各従業員がそれぞれに行う「個業化」が進んでいるのです。

この「個業化」が進んでいく中で、社内外における人間関係は重要です。ジョブクラフティングを導入することで、人間関係を良好に築くことができるようになることが期待できることも、注目を集めている理由です。

ジョブクラフティング3つの分類

ジョブクラフティング3つの分類

ジョブクラフティングは、3つの視点・分類に分けることができます。この3つの分類によって働き方を見直し、修正を行うことで主体性を引き出すことが期待できます。

ここからは、ジョブクラフティングの分類について解説します。

作業クラフティング

作業クラフティングは、仕事を主体的に構築していくための視点です。作業クラフティングとしては、次のようなものがあります。

  • 自分のスキルアップ時間を確保する
  • 無理や無駄、ムラの見直し
  • タスクリストの作成

など、これらのことから業務内容を充実させたり、作業がやりやすくなるように工夫することで、より主体的に行動することができるようになります。

人間関係クラフティング

人間関係クラフティングは、周りの人との関わり方を整えることで「自分の働き方」や「仕事のやりがい」を高めることができるように工夫することです。具体的には、次のようなことが効果的です。

  • 先輩や同僚に積極的に相談する
  • 他部署の人の話を聞いてみる
  • お客様と積極的にコミュニケーションをとる

人間関係クラフティングの結果として、状況を把握し周囲と相互の協力関係を築きながら、仕事の手応えや成果を実感していくことが期待できます。

認知クラフティング

認知クラフティングは、自社のビジョンや理念、仕事の意味・意義、働く同期や目的などを考えることによるクラフティングです。認知クラフティングでは、次のようなことによって「やらされ感」のない職場づくりを目指していくことができます。

  • 「仕事の目的とは何か」を改めて振り返る
  • 仕事が社会に与える意味とは何かを考える
  • 自分の仕事の組織的な意義を捉え直す
  • 仕事の成果(成果物)が社会にどのように貢献できているかを再認識する

クラフティングの3つの分類や視点をしっかりと理解しておくことで、自社の従業員の主体性を引き出すアプローチをしていきましょう。

ジョブクラフティングのメリット

ジョブクラフティングを導入する際に担当者からよく聞かれる声としては、「ジョブクラフティングを導入したいけれど、一歩が踏み出せない」「上層部から導入するよう指示があったけれど、いまいちメリットがわからない」などが聞かれます。ここからは、ジョブクラフティングを導入するメリットを解説します。

離職率低下

ジョブクラフティングは、自分の働き方や仕事に対する思いを見直す重要な機会です。自分の仕事が会社組織の役に立っているのか、成果や貢献度につながっているのかを理解すると自然と離職率の低下につながることが考えられます。

離職率が低下すると会社組織としての業務クオリティが上がり、業績アップも期待できます。また、従業員のスキルアップだけでなく新入社員を雇う時でも教育しやすい体制が整うため、誰もが安心して働きやすい職場づくりにつながります。

生産性の向上

ジョブクラフティングによって、自分の仕事の意義や意味、社会的な貢献度などを理解することができると、自然と生産性やモチベーションアップになります。

また、仕事に対する思いが受動的な状態から能動的な状態に変わることで、仕事に取り組む姿勢も成果や業績を意識するようになることも重要であるため、意識してジョブクラフティングを導入すると良いでしょう。

社内のコミュニケーション活性化

ジョブクラフティングは、社内の人間関係を円滑にすることにつながります。組織内で良好な人間関係ができるようになると、話し合いが活発になったり「風通しの良い」職場になっていくことから、自然とアイディアを出す機会が増えます。その結果として、大ヒット商品やサービスが生まれることは珍しくありません。

また、社内コミュニケーションが活性化していくことで、従業員それぞれの個性や強み、タレント性に気付くチャンスが増えます。結果として、従業員を適材適所に配置したり次期リーダーの育成も期待できるでしょう。

ジョブクラフティングを導入する際の注意点

ジョブクラフティングを導入する際の注意点

ジョブクラフティングのメリットはご理解いただけたと思います。しかし、ジョブクラフティングはメリットばかりではありません。

導入する前に注意点も理解しておくことで、より効果的に進めていくことができます。

①属人化しないように注意する

ジョブクラフティングを推進していくと、仕事が「属人化」してしまう可能性があります。仕事が属人化してしまうと、担当している業務内容や進め方が本人以外にわからなくなってしまいます。

組織として特定人物に依存することなく仕事ができ、業務品質の確保や生産性を向上させられるよう、細かくフィードバックの機会を設けることが重要です。

②協調性の必要な業務にはあまり効果がない

ジョブクラフティングは、個人のやりがいを獲得することが重要です。そのため、チームワークが必要な業務では効果が発揮されにくいことがあります。

業務内容においては、従業員の個性や多様性を重視することで、協調性が失われてしまうこともあります。そのため、ジョブクラフティングを活かすべき業務や場面をしっかり見極め、適切な指導・運用を行わなければなりません。

③業務を見つめ直す機会の提供は忘れない

ジョブクラフティングを効果的に導入するためには、業務を細かく見つめ直す機会が必要です。

従業員の目標や仕事を見つめ直したり結果を共有できる場を作ることで、個々の成果をシェアしたりより良くすることが期待できます。ジョブクラフティングに関する研修やセミナーを定期的に開催すると良いでしょう。

ジョブクラフティングの進め方(4ステップ)

では、実際に自社全体や組織でジョブクラフティングを導入するとなった場合、どういった手順で行うと良いのでしょうか。今回は、導入手順を5つのステップで解説します。

STEP
業務の洗い出し

最初にやるべきことは、業務の洗い出しです。自分が「退屈だな」「つまらないな」と思っているタスクを含めて、全ての仕事内容を書き出してリストにします。まずは、リストに書き出すことだけをひたすら行いましょう。

STEP
自分の強みや仕事の情熱などを書き出す

業務の洗い出しができたら、仕事の目的や動機、自分の強みなどの自己分析を行います。自分の強みとしてあるけれど、現在の仕事で活かすことができていないスキルや特技なども書き出して、徹底的に「自分とは?」と見つめ直してみましょう。

STEP
仕事の捉え方を見直す

業務の洗い出し、自己分析をした結果を元に、自分の業務の意味や意義、組織や社会への貢献度などを考えてみましょう。自分の仕事によって喜んでくれているのは誰か、どんな役に立っているのか、相手のことを具体的にイメージすることで自分の業務を広く見直すきっかけとなり、これからの仕事への向き合い方も変わってきます。

STEP
仕事の内容や方法、人間関係を見直す

ステップ①〜③を経て、仕事の内容や方法、人間関係を見直していきます。「退屈だ」「つまらないな」と思っている仕事でも、これまでに見直した自分の強みや仕事への思いを考え直すことで、「面白い」「やりがいのある」仕事になることもあります。また、「あの人と一緒にやれば、もっと良い仕事になるのでは?」など、柔軟な視点で捉え直すことができるため、主体的に仕事に取り組む姿勢が育まれるでしょう。

 

これからジョブクラフティングの導入を検討している方は、ぜひこのステップで取り組んでみてはいかがでしょうか。

ジョブクラフティングを実践する前に

ジョブクラフティングを実践する前に

最後に、ジョブクラフティングを実践する前に心に留めておきたいことについて、3つのポイントで解説します。

①強要・押し付けにならないこと

ジョブクラフティングは、従業員が能動的により良い働き方を考えることが重要です。そのため、組織が業務改善や「やりがい」を押し付けることがあってはいけません。

ジョブクラフティングを推進することで、逆に従業員のモチベーションが下がってしまうことのないように注意しましょう。

②主体的に動ける環境づくり

ジョブクラフティングを推進するにあたって、ただ「ジョブクラフティングを進めよう!」というのではなく、実際に主体的に動けるよう職場環境を整えることが重要です。

ルール作りや雰囲気づくりなど、取り組むべきことはたくさんあるかもしれませんが、一つずつ作り上げていくことで、従業員が「やらされ感」のない職場づくりを実現できます。

③言葉に囚われすぎないこと

前述した通り、ジョブクラフティングは業務内容によっては効果が期待できない職種もあります。個性や多様性よりも協調性が重視されるような業務や現場では、無理にジョブクラフティングを推進するとかえって逆効果になることも考えられます。

「やらされ感のない職場」を目指す!

今回は、ジョブクラフティングの導入によって「やらされ感のない職場」を目指す方法について解説しました。従業員が主体的に動くことで会社組織の業績アップが見込めたり、従業員それぞれの大きなステップアップが期待できるジョブクラフティングは、”自社にあっているかどうか”をしっかりと見極めることが重要です。

ガイアシステムでは、豊富な研修経験をもつ講師が人事担当者さまとしっかり連携して、「本当に必要な研修とは?」というところからご提案・アドバイスさせていただきます。すでにジョブクラフティングを始めているけれど、フィードバックやアフターフォローに課題を感じている…という方も、ぜひお気軽にご相談ください。

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