ハラスメント研修の義務化について!4つの義務と研修の種類、実施方法を紹介

ハラスメント研修 義務化

近年は、さまざまなハラスメントが注目されており、問題やトラブルを抱えている企業も少なくありません。パワハラやセクハラなどの対策が義務化されているハラスメントもあれば、時短ハラスメントやリモートハラスメントなど、新たに生まれたハラスメントもあります。これらを未然に防いだり、トラブル発生後に迅速な対応を行ったりするために、ハラスメント研修を導入する企業も増えています。

 

この記事では、ハラスメント研修の義務化について知っておきたいことを始め、種類や実施方法、効果を高める方法を紹介します。

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ハラスメント研修と義務化について

ハラスメント研修と義務化について

ハラスメントとは、相手の嫌がることをして不快にさせる行為のことです。ここでは、ハラスメント研修と義務化について紹介します。

ハラスメント研修とは

ハラスメント研修とは、職場のハラスメントを防止するために、従業員にハラスメントに関する知識や対応方法を習得させるための研修です。職場でいじめや嫌がらせがあると人権侵害に発展するため、企業として従業員に対して学習機会を設ける必要があります。

ハラスメント研修では、ハラスメントの定義や法律に関する知識を学び、ハラスメントが与える影響や被害者の心理を学びます。

ハラスメントのない企業風土を作るためには、単発的な研修で十分とはいえません。従業員一人ひとりが日々の業務の中で、ハラスメントに対して意識を持ち続けることが大切です。そのため、ハラスメント研修は1回で終わるのではなく、定期的に実施し、従業員の意識改革を図る必要があります。

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ハラスメント研修は義務化されている?

2020年の法改正で職場のパワハラ防止措置が義務化されたことから、ハラスメント研修の必要性が高くなっています

2022年4月からは、中小企業でもパワハラ防止措置が義務化されました。パワーハラスメント研修はパワハラ防止措置に挙げられるため、研修を実施することは、パワハラ防止の義務を果たしていることになります。

また、男女雇用機会均等法では、事業者に対してセクシャルハラスメントで労働者の労働条件や環境が不利にならないように、防止措置を取ることも義務づけています。マタニティハラスメントについても同様に、事業主は防止措置を取らなければなりません。

ハラスメント研修そのものが義務化されているわけではありませんが、防止措置が義務化されているため、その対策として研修は効果的です。

ハラスメント対策で必要となる4つの義務

ハラスメント対策で必要となる4つの義務

パワーハラスメントは、法律により雇用管理上講ずべき4つの義務があります。厚生労働大臣の指針に定められているため、事業主はこれらの措置を講じなければなりません。

ここでは、企業が取り組むべきハラスメント対策4つの義務をそれぞれ解説します。

事業主の方針の明確化及びその周知・啓発

事業主は、職場でのハラスメント対応を企業の方針に掲げたり、就業規則に規定したりして、従業員にハラスメントの取り決めを周知・啓発しなければなりません。

例えば、ハラスメントに対する方針や資料をまとめ、従業員に配布することも方法の一つです。ハラスメント防止のための研修を実施し、従業員に事業主の方針を示すことも、周知や啓発につながるでしょう。

また、事業主の方針の周知としてトップメッセージの作成も推奨されています。厚生労働省にひな形があるため、参考にしてみましょう。

相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

従業員がハラスメントの被害を受けた際、相談しやすい体制の整備も義務化されています。

具体的には、ハラスメントに対応するための窓口や担当者を設置し、その旨を従業員に周知するなどです。相談窓口は面談や電話、メールなどの方法を設け、被害者が気軽に相談できるような体制づくりを整える必要があります。

また、相談に対して適切にフォローやサポートするためにも、人事担当者や上司との連携がスムーズにとれるように調整が必要です。相談を受けたときにどのように対応するかや、体制整備などは、ハラスメント研修でも学ぶことができます。

職場におけるハラスメント事後の迅速かつ適切な対応

職場でハラスメントが起きた場合、事業主として事実関係を整理し、速やかに被害者に対する配慮措置を取らなければなりません。ハラスメントを行った従業員に対しても、措置を適正に行う必要があります。

ハラスメントが起こってから対応フローを整えていると、対応までに時間がかかり、事実が隠蔽される可能性もあります。そうならないためにも、事前にマニュアルやフローを作成し、担当部署との連携方法を決めておきましょう。

また、ハラスメントの事実確認は被害者・加害者から十分に話を聞いたうえで、ハラスメントに該当するかどうか判断することも大切です。

その他あわせて講ずべき措置

ハラスメントの事実が認められた場合、相談者や行為者などのプライバシーを保護するために必要な措置を講じなければなりません。

相談したことを理由に、解雇や職場で不遇な扱いを受けないことなどを定め、それらを従業員に周知する必要があります。従業員が安心して相談できる環境を作ることが大切です。

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主なハラスメント研修の種類や内容

主なハラスメント研修の種類や内容

ハラスメント研修の中でも特に多く実施されているのは、パワーハラスメント研修、セクシャルハラスメント研修、マタニティハラスメント研修です。ここでは、それぞれの研修の種類や内容を紹介します。

ハラスメント研修カリキュラム事例

ハラスメントの未然防止、環境改善を目指す!
ハラスメント防止対策研修
https://www.gaiasystem.co.jp/human/flatrate_club/harassment-3/

ハラメント防止研修|指導とハラスメントの違い
https://www.gaiasystem.co.jp/human/flatrate_club/harassment-2/

パワハラ防止研修|パワハラ防止法対応
https://www.gaiasystem.co.jp/human/flatrate_club/harassment/

カスタマーハラスメント研修
https://www.gaiasystem.co.jp/human/flatrate_club/customer-harassment/

パワーハラスメント研修

パワハラの6類型

パワーハラスメント研修は、パワハラ防止法によってパワハラ防止対策が義務化されていることもあり、多くの企業が実施しています。

パワハラは、パワーハラスメントを略した言葉です。

パワハラは、「優越的な関係を背景とした言動」「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」「労働者の就業環境が害されるもの」という3つの要素をすべて満たしたうえで、以下の6つの類型に分類されます。

  • 身体的な攻撃
  • 精神的な攻撃
  • 人間関係からの切り離し
  • 過大な要求
  • 過小な要求
  • 個の侵害

パワーハラスメント研修では、管理職や上司に対して部下の価値観を尊重し、パワハラにならない指導のやり方を学習します。部下に対しては上司が悪いという概念を変え、自分が上司になった場合を想定して物事を考える必要性を説きます。

また、パワーハラスメントの正しい知識を学んだり、適切なコミュニケーションを取ったりすることも研修内容です。

セクシャルハラスメント研修

セクシャルハラスメント研修

セクシャルハラスメント研修は、セクシャルハラスメントを正しく理解し、職場でのコミュニケーションや言葉、行動に配慮できることを目的とした研修です。

セクシャルハラスメントは略してセクハラとも呼ばれます。

セクハラには対価型と環境型があり、対価型は権力や金銭で性的な要求を行うことです。環境型セクハラは、労働者の意に反する性的な言動や行動によって就業環境が不快になることを指します。

セクシャルハラスメント研修は、職場におけるセクシャルハラスメントを防止し、従業員が安心して働ける環境作りを目的とした研修です。

自覚がないままセクハラをしてしまう人もいるため、研修を通し、どのような言動や行動がセクハラに該当するのか理解を促すこともできます。

マタニティハラスメント研修

マタニティハラスメント研修

マタニティハラスメント研修は、職場で妊娠や出産、育児を理由に嫌がらせを受けるマタハラへの理解を深めて防止するための研修です。

マタハラは産休や育休制度を利用することに嫌がらせをしたり、妊娠や出産をした女性従業員に解雇を促したりするなどが挙げられます。

妊娠や出産、育児を理由とした不利益な扱いは、労働者の権利侵害だけでなく、企業にとっても人材流出やモチベーション低下のリスクがあります。

これらのリスクを未然に防ぐためにも、マタニティハラスメント研修が効果的です。

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ハラスメント研修の実施パターン

ハラスメント研修の実施パターン

ハラスメント研修には外部研修、社内研修、e-ラーニングの実施パターンがあります。ここでは、それぞれの研修パターンを解説します。

外部研修

外部研修は、社外で開催されているセミナーや研修に参加し、ハラスメントについての知識を習得する方法です。セミナーや研修開催の主体となるのは、セミナー会社やコンサルティング会社、商工会議所などが挙げられます。

外部の団体が主催となるため、自分たちで講師の手配や会場の準備をする必要がなく、日程があえばすぐにでも受講できます。

また、外部研修では1人○○円のように1人ごとに料金がかかる仕組みであるため、研修対象者が少ない場合はコストを抑えられます。ただし、外部研修の内容によっては必ずしも自社や従業員に必要であるとは限らないため、研修内容の見極めが重要です。

社内研修

社内研修は、社内の従業員や外部講師を呼んで自社で行う研修です。

社内の従業員が研修をするメリットは、社内の課題を把握しており、適切なテーマを選べることです。講師にはハラスメント相談窓口の担当者や人事、総務など、ハラスメントに関わる人が行います。

ただし、この方法だと講師にハラスメントの正しい知識や経験がなければ、思うような効果が得られない点に注意が必要です。

外部講師に依頼するメリットは、さまざまな事例をもとに、ハラスメント対策のプロに正しいノウハウを提供してもらえることです。社内の従業員に依頼する場合に比べると、プレゼン資料の準備に手間がかからないメリットもあります。

e-ラーニング

e-ラーニングは、基本的にパソコンやタブレットでの学習となるため、時間や場所を選ばずに参加できるメリットがあります。

ハラスメント研修は対象となる従業員が多く、研修が大規模になる場合も少なくありません。人数が多くなると、教材準備や場所の確保、研修後のフォローアップなどに時間を多くとられてしまいます。

その点、e-ラーニングは受講者が多くても均等な学習ができ、全員で同じ教材を視聴できるため、研修内容にムラが出る心配もありません。また、e-ラーニングを用いると、学習の進捗を簡単に管理できるため、モチベーション維持にもつながります。

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ハラスメント研修の効果を高めるポイント

ハラスメント研修の効果を高めるポイント

ハラスメント研修の効果を高めるためには、自社の問題として捉えてもらい、繰り返し実施することが大切です。
ここでは、ハラスメント研修の効果を高めるポイントを紹介します。

自社の問題として捉えてもらう

ハラスメント研修を実施する際には、研修に参加する従業員に対し、ハラスメントを自社の問題として捉えてもらう必要があります。

そのためには、研修で実際に起きたハラスメント事例を取り上げたり、参加者同士で意見交換する時間を設けたりする方法が効果的です。また、ロールプレイング形式で被害者や加害者の役割を演じることで、自分事として捉えられるようになります。

このような研修を実施するためには、カスタマイズ研修に対応している研修会社がおすすめです。カスタマイズ研修では、企業の環境や業務特性、課題に応じた研修カリキュラムを受けることができます。

繰り返し実施する

ハラスメントに対する姿勢や意識を定着させるためには、繰り返しハラスメント研修を実施するのが効果的です。

従業員一人ひとりの意識を変容させることで、ハラスメントを起こさないような組織風土の醸成につながります。

研修を実施したらアンケートを行い、その後の研修について、柔軟に変更・実施するのもポイントです。

まとめ

この記事では、ハラスメント研修の義務化やパワーハラスメント防止における4つの義務と研修の種類、実施方法を紹介しました。事業者は法律に基づき、ハラスメントの防止が義務化されており、義務を果たすためにはハラスメント研修が効果的です。

ハラスメント研修を実施する際には、自社の課題や業務特性などに応じたカリキュラム選びもポイントになります。どのカリキュラムがいいのか判断が難しい場合は、カスタマイズ研修を活用するのがおすすめです。

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