営業戦略の基本とは?立案・分析のポイントやフレームワークを解説

営業戦略の基本

会社の業績に直結する役割を担う営業部門ですが、目標達成のためには「営業戦略」が欠かせません。しかし、実際に戦略を立てようとしても、なかなか具体的に作ることが難しかったり「そもそも営業戦略とは?」という疑問を感じている方もいるのではないでしょうか。

・営業部門全体の動きが悪く結果が出ない
・これまでの経験やカンに頼らない営業スタイルを確立したい
・無駄な動きなく効果的な営業を行いたい…
など、営業戦略にお困りの方に読んでほしいコラムです。

 

今回は、営業戦略の基本から立案・分析のポイントや活用できるフレームワークを解説します。

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営業戦略の基本

営業戦略の基本

まずは、「営業戦略とは何か」を解説します。

営業戦略の基本や「戦略」と「戦術」の違いを理解しておくことで、具体的に立案する際に混乱することなく効果的な立案や効果の検証・分析を行うことができます。

営業戦略とは

営業戦略とは、各企業が行う営業活動における「目標を達成するため」のシナリオや計画です。各企業の営業目標には「売り上げアップ」や「自社製品(サービス)のシェア拡大」など様々なものがあり、それらの目標を達成するための基本方針として立案するものが「営業戦略」となります。ただし、各企業の営業リソースは限られているため予算や人員をうまく活用しながら立案しなければならないため、どの企業も営業戦略の立案に苦労しています。

「営業戦略」と「営業戦術」の違い

「営業戦略」と「営業戦術」の違い

「営業戦略」と似ている言葉に「営業戦術」があります。

「営業戦術」とは、営業戦略を達成するための手段であり、立案した戦略をベースにして「目標を達成するためにどういった手段が効果的か」「どのようなやり方で進めていくのか」を具体的に考えることです。

そのため、どれだけ戦略を具体的かつ完璧に立案できたとしても戦術がしっかりしていなければ目標達成が不可能になるケースもあります。「営業戦術」は「営業戦略」の一部と考えると良いでしょう。

営業目標を決める際に「新規顧客を1年間で5%増加させる」とした場合
・「5%増加させる」は “営業戦略”です。
・その目標を達成するための方法として「SNSのフォロワーを●人増やす」「近隣にチラシを●枚配布する」といった施策を考えた場合、具体的な行動にあたるため”営業戦術”となります。

マーケティング戦略との違い

営業戦略 マーケティング戦略との違い

営業戦略と類似している言葉には、「マーケティング戦略」もあります。

マーケティング戦略は、市場や顧客、競合他社の動向などを把握・分析することで自社の商品(サービス)のアプローチ方法を考え、実行に移すための戦略です。

営業戦略とマーケティング戦略には、業績の向上という共通の最終目標があります。しかし、それぞれの役割は異なるためそれぞれの役割を理解してうまく連携させることが重要です。「営業戦略」と「マーケティング戦略」の違いを正しく理解して、共通の最終目標を達成させられるようにしましょう。

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営業戦略立案のステップ

ここからは、具体的かつ効果的な営業戦略を立案するためのステップを解説します。

STEP
市場調査

まずは、自社の商材(サービス)の業界や市場、ターゲットに関してのデータを収集します。現状、自社の顧客(顕在・潜在)はどのような環境に置かれているのか、市場は競争が激化しているのかどうか、定量・定性どちらもデータを集めることで具体的に把握することで、練るべき戦略は大きく変わります。

なお、市場調査については可能な限り客観的・俯瞰的な視点で行いましょう。主観的に観るよりも取るべき戦略が明確になるため、営業戦略立案の際には必ず必要なステップです。

STEP
現状の数値化・可視化

市場調査がある程度行えた後は自社に目を向けましょう。ステップ②では、自社の現状、特に営業を数値化することで抱えている問題・課題(製品に関すること、販売量や売り上げ金額など)を数値化します。

自分たちの目に見える数字にすると、「何が」「どう」課題なのかを自分ごととして捉えられるようになります。結果、どの問題・課題から解決していくかという優先順位を決めるきっかけとなるのです。

STEP
現状の分析

数値化・可視化できた問題・課題を分析するのが、このステップです。分析のステップでは「数値化した分析」と「定性的な分析(顧客目線)」を同時に行うことが重要です。

数値化した分析営業活動は、次のような仕事内容について
量や工数を分析することができます。
・相手への連絡やアポイントの回数や時間(訪問、電話やメールなど)
・営業活動の時間(一日当たり、一社あたり)
・その他(営業コストや成果など)
営業活動を様々な要素に分解して数値化すると、
営業における強みや改善すべき点などが把握しやすくなります。
定性的な分析(顧客目線)分析は、数値化するだけでなく定性的に行うとより効果的です。
例えば、以下のような物事に対しての分析が可能です。
・顧客からの問い合わせ(クレームなど)
・対話内容(商談、顧客からの質問など)
営業担当者が顧客に対してどのようなコミュニケーションをとっているのか、
顧客目線でデータを収集するだけでなく、
営業担当者一人ひとりから声を聞くことも定性的な分析に有効です。
STEP
営業課題の把握と明確化

ステップ②と③を経て、営業課題や問題の把握と明確化を行います。数値化・可視化・分析を行った上で社内外の現状を把握すると、「自社の営業課題や問題は何か」を抽出することができるようになります。

世界情勢が不安定な現状では、不安なことや解決できないことも多々あります。しかし、営業を取り巻く課題を抽出することで客観的かつ俯瞰的に把握することができるため、具体的に実現できる営業戦略を立案することにつながります。

課題・問題の把握と明確化にあたっては、次のような視点で洗い出しをすると良いでしょう。

・世界(社会)情勢の激しい変化に対応した営業活動ができているかどうか
・日々の営業活動(プロセス)の中に効率化できる部分はあるか
・限られたリソース(特に人的リソース)をうまく活用できているか
 など

STEP
「コアコンピテンス」を意識した戦略立案

コアコンピタンスとは、「核となる専門的な能力・技術」という意味です。営業においては、「自社を差別化できるような強み(技術・特色・価値など)」という意味の方がわかりやすいかもしれません。

具体的かつ現実的な営業戦略を練る時には、「コアコンピテンス」を意識することで、顧客に自社の魅力を伝えることができるため、より目標達成に近づくことができるでしょう。なお、自社の強みは営業担当者だけでなく他部署のスタッフへのヒアリングも有効です。

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営業戦略を効果的に進めるために

営業戦略が立案できたら、さらに具体的に進めていくための戦術を決めます。営業戦略を進めていくための戦術としては、次のようなステップを踏むと良いでしょう。

営業戦術の立案

営業戦略を進めるために、自社の目標(中・長期)に合わせて短期間で実行可能な手段を考えます。戦術は、目的に見合ったものや実現可能な範囲内で考える必要があるため、自社のリソース(人的・物的)で補いきれない規模の戦術はあまり意味がありません。次のように、営業活動のフェーズごとの具体的な方策を考えると良いでしょう。

テーマ詳細
商談・ニーズの聞き込み(調査を行う)
・ニーズを「ウォンツ」に変えること
受注・メリットの明確化
・無理のない最適なクロージング
顧客維持・顧客への提案
・利用状況の確認
・カスタマーサクセス

KPIの設定と進捗の可視化

KPIとは、営業目標を元に設定する具体的な行動指標などのことです。例えば、「新規の顧客獲得を●人とする」という営業目標を設定した場合、「SNSのフォロワーを●人ふやす」「●社に営業を行う」という具体的な行動がKPIとなります。

KPIは、できるだけ具体的に数値化するなどして設定することで、実際に運用が始まってからも進捗を具体的に可視化することができるようになります。立案した戦略が計画通りに進んでいるのか、成果が出ているかどうかをしっかりと把握しましょう。

万が一、最初に決めたKPIと現状にずれが生じている場合には、ズレが生じていると分かった時点で目標や戦術の修正・変更を検討することで、目標が達成できないような状況を避けることができます。

効果の検証と改善

KPIの進捗状況が可視化できるようになったら、立案した戦術をPDCAサイクルを活用して細かく検証、改善していきます。PDCAは、「計画」「実行」「評価」「改善」のサイクルであるため、現状の戦術は戦略に対して効果的なのか、改善できるところがあるとすればそこはどこなのか…を具体的に知ることができます。PDCAサイクルによって検証した結果、戦術や施策そのものを中止するという決断を下すこともでき、避けられない事態やリスクが大きくなる前に対処することが可能になります。

戦略・戦術立案時に役立つフレームワーク

営業戦略や戦術を立案する際、また自社や市場の分析を行う方法として、次のようなフレームワークが役に立ちます。今回は、6つのフレームワークを紹介します。一つでも合うものがあれば、ぜひ活用してください。

3C分析

3C分析の図解

3C分析は、「Cusomer(市場・顧客)」、「Company(自社)」、「Competior(競合)」という3つの言葉の頭文字です。

これらの3つを分析することで、事業計画やマーケティング戦略を練ることができます。また、それぞれの要素を分析を行うことで全体的な状況の把握も可能です。

4P分析

4P分析は、3Cのように「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販促)」の4つのPの頭文字です。それぞれの項目について他社と比較し、優劣を分析していきます。各項目のポイントは以下の通りです。

テーマ詳細
商品競合他社よりも顧客ニーズに沿っているか、デザインが優れているか
流通店舗の立地や店舗数の比較
販促広告が消費者に認知されているか、購買意欲を生むか
価格収益や他社と競合できるかどうか

SWOT分析

SWOT分析

SWOT分析とは、外的要因(競合、法律、市場など)と内的要因(資産、ブランドの魅力、価格、品質など)といったプラス面やマイナス面を分けて分析する方法です。

S(強み)、W(弱み)、O(機会)、T(脅威)という4つの項目があり、それぞれの分析を行うことで戦略を作成しやすくなったり、経営の最適化が期待できます。それぞれの詳しい内容は以下の通りです。

テーマ詳細
S(Strength)強み価格、品質やブランドとしての魅力
W(Weakness)弱み他社と比較した自社の弱点、欠点
O(Opportunity)機会市場拡大や法律による制限緩和など
T(Treat)脅威競合他社の成長や法律のよる制限強化など

ランチェスター戦略

ランチェスター戦略は、戦争の戦略立案の際に使われたものをビジネスシーンで応用しています。
ランチェスター戦略は「弱者の戦略」として有名と言われており、業界2位以下の企業が上位を争うために使用されていますが、業界一位の企業が市場シェアを獲得するためにも活用されています。

パレートの法則

パレートの法則は、「80:20の法則」とも言われており、「全体の売上の8割は、2割のお客様の売上で構成されている」という有名な法則です。パレートの法則は経験則から確立された法則であるため、全体の2割が売上の8割に貢献していたとしても残り8割をないがしろにして良いわけではないことに注意しましょう。

営業戦略は企業の将来を左右する!

今回は、営業戦略の基本やフレームワークについて解説しました。

営業戦略は、「目標を達成するためにあらゆる戦術を活用するシナリオ」と言えます。企業の将来を左右するといっても過言ではない「営業戦略」と「営業戦術」は、実行してすぐに結果が出るわけではありません。営業戦略は、最初から完成されたものは存在しません。立案までに時間がかかることもありますが、丁寧に的確に立案していくようにしましょう。

弊社では、営業戦略の立案にハードルを感じている人のための研修やサポートを行っています。まずは、お気軽にご相談ください。皆様からのお問い合わせをお待ちしております。

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