ヘルプシーキング研修
近年、心理的安全性やメンタルヘルスへの関心が高まる一方で、「相談できず抱え込む」「限界まで我慢する」といった状況が現場で増えています。これは個人の弱さではなく、仕事の複雑化により一人で完結できない時代になったことが背景にあります。
そこで重要になるのがヘルプシーキングです。これは単なる相談ではなく、自分の状況を整理し、他者の力を活用して前に進むための行動スキルです。自立とは一人で抱えることではなく、依存先を増やすことです。声を上げられる組織は問題の早期発見と協力関係を生み、組織の学習力と持続性を高めます。
本研修は、「一人で抱え込む働き方」から脱却し、自分の状態を把握し、必要なときに適切に助けを求められる力(ヘルプシーキング)を身につけるためのプログラムです。
貴社のニーズに合わせてカリキュラムをカスタマイズしています
<keyword> ヘルプシーキングヘルプシーキング(Help Seeking) / レジリエンス / 心理的安全性
自立の再定義 / 抱え込み防止 / 声を上げる力 / 支援要請スキル
研修目的
「一人で抱え込む働き方」から抜け出し、自分の状態を把握し、必要なときに適切に助けを求められるようになること。
- ヘルプシーキングは性格ではなくスキルだと理解し自分の状況について把握して言語化できる
- 困っていることを知るだけではなく具体的にヘルプシーキング出来る
- 愚痴ではなく前に進むヘルプシーキングが出来
習得できるスキル・学べる知識
- 自分の状態を把握するセルフチェック・内省力
- 困りごとを整理し、言葉にするスキル
- 相手が動きやすい「具体的な頼り方」
- 依存と自立を混同しない、健全な関係構築力
- チーム内でヘルプシーキングを促進する関わり方
学びのポイント
- わかる→きづく→できるのステップ実践的学ぶ
- 自立とは、誰にも頼らないことではない。依存先を増やして倒れない構造を作ること。
- 自己責任を人に言うのは、正しそうに見えて実は無責任(関係を切って終わらせるから。)
- 「困っている」だけでは相手は動けない。私は何をしてほしいのかまで伝えることで、共創が始まる。
研修カリキュラム
| テーマ | ポイント |
|---|---|
| 1. イントロダクション | ・講師紹介 ►目的セット「自立とは何か」 ・自立とは一人で何でも抱えこむのではなく適切に依存先を増やすこと |
| 2. ヘルプシーキングとは何か | ►ヘルプシーキングは“相談”ではない ・「気づく→整理する→求める→活かす」の行動スキル ・性格ではなく、再現できる技術である ►自立を再定義することとその背景 ・依存の種類(人・仕組み・情報・外部資源)と、偏りのリスクを知る ・1支点から「複数支点」へ(折れない働き方の構造) |
| 3. ヘルプシーキングが必要な理由 | ►助けをもとめづらい理由を知る ►価値観の変化とヘルプシーキングが必要な背景 ・個人と環境の阻害要因を知る(迷惑不安/評価不安/プライド/完璧主義/遠慮) 「困っている=丸投げになる」 ►値観のアップデートの必要性(自己責任→共創・相互扶助へ) 誤解「自己責任」が広がりやすい社会条件(雇用・競争・個人化・成果主義など) ・“自己責任を他者に言うこと”が起こす副作用(関係の断絶/学習停止/孤立) ・共創の前提は「助け合い」ではなく、情報共有と協力要請(声を上げる) ►仕事の複雑化で「一人で完結」が難しい現実 ・“助けを求める行為”を、弱さではなくプロの仕事術として位置づける |
| 4. ヘルプシーキングのステップ | ►助けを求める前に整えることが大切 ・自分のしんどさは自分で把握しづらい ►慢性化(慢性的疲労・慢性的過負荷)で感覚が鈍るメカニズム ・「頑張り続ける人ほど気づけない」パターンの理解 ►状況把握の型としていま何が起きているかを整理する ・早期検知のサイン(行動・感情・身体・ミス・対人反応) ・自分の依存先を可視化する(型よりを可視化する) |
| 5. 頼み方の型を知る | ►受け手は、困りごとの具体がないと動けない抽象だけでは伝わらない ・感情語(しんどい・難しい)を“行動可能な情報”に変換する必要 ►お願いごとのレベル設計 ・ヘルプユージング(助けを活用する) ►主語を自分にして具体的にヘルプシーキングする ①状況:いまの全体像・進捗・要件数 ②自分の状態:自分の稼働・制約・詰まり点 ③このままだと:未来予測(間に合わない/品質が落ちる等) ④依頼:あなたに何をしてほしいか(具体タスク/判断/時間) ⑤期限・優先度:いつまでに/どれくらい⑥お礼・合意:確認と感謝 (関係を資産化) |
| 6. クロージング | ・振り返りと今後の活かし方を考える ►自分の中で使う事を前提に考える依存先の増やし方 (社内横連携/他部署/外部/情報資源) |
講師メッセージ
担当講師:岡 佐紀子(おか・さきこ) <講師の詳細プロフィールはこちら>

【なぜ今、ヘルプシーキング研修なのか】
近年「レジリエンス研修」や「メンタルヘルス対策」「心理的安全性」についてのご相談も多くいただきます。
一方で、現場ではこんな状況が増えているとも感じています。
- 言えばいいと言ってもなかなか言えない
- 限界まで我慢してしまい、相談が遅れる
- 問題が大きくなってから初めて表に出る
- 「自己責任」という言葉で、声が止まってしまう
これらは、個人の弱さや意識の低さが原因でしょうか。 私たちは、そうではないと考えています。
それは仕事の前提そのものが、大きく変わったからです。
かつては、仕事は比較的定型的で、経験を積めば一人で判断でき、「自分で何とかする」こと が機能する時代でした。
しかしVUCA時代と言われている今は「仕事は複雑化し」「正解が一つではなく」「途中で前提が変わる」ことも珍しくありません。 この状況で「一人で抱え込む」ことは、 もはや美徳ではなくリスクです。
そこで注目されているのが “ヘルプシーキング(Help Seeking)”です。
ヘルプシーキングとは、 単なる「相談」や「助けてもらうこと」ではありません。
・自分の状況に気づく ・何が起きているかを整理する ・一人では難しい部分を切り分ける
・誰に、何を、どう頼むかを具体的に伝える 前に進むために、他者や仕組みを活用する行動スキルです。
多くの人が 「自立=一人でやること」 と思い込んでいませんか。
しかし私は、 “自立とは「依存先を増やすこと」”だと考えています。 依存先がない人は、つまり自分1人で何とかしようとする状態は折れやすい。それに対して依存先が複数ある人は、しなやかに立て直せる。
声を上げられる人が増えると「問題は早い段階で見える ・トラブルは小さく止められる ・協力が前提の関係が育つ」
これは、個人のためだけのスキルではありません。 組織の学習力と持続性を高める力でもあります。
レジリエンス(回復力)が 「しんどくなった後に立て直す力」だとすれば、 ヘルプシーキングは しんどくなる前に、構造を変えて前に進む力です。
今、求められているのは 耐える力ではなく、 つながり、協力を引き出す力。 そのための第一歩が、「ちゃんと声を上げられる状態をつくること」であり、そのためにヘルプシーキングについて学ぶことが大切です。














