組織活性化の目標設定で失敗しない!具体的な立て方と企業の成功事例を紹介

近年、市場環境の急速な変化や人材の多様化に伴い、「組織の活性化」は多くの企業にとって重要な経営課題となっています。しかし、「具体的に何から手をつければ良いのか分からない」「目標設定が曖昧で、施策が形骸化してしまう」といった悩みを抱える方も少なくありません。組織の活力を引き出し、持続的な成長を遂げるためには、明確な目標設定が不可欠です。

 

この記事では、組織活性化の基本的な考え方から、具体的な目標設定のステップ、そして成功企業の事例までを分かりやすく解説します。

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組織活性化とは?なぜ今、目標設定が重要なのか

組織活性化とは、単に職場が賑やかであることや、業務が忙しい状態を指すのではありません。
その本質と、なぜ今、明確な目標設定が求められているのかについて解説します。

組織活性化が目指す状態

組織活性化とは、組織に属する従業員一人ひとりが企業の理念やビジョンに共感し、目標達成に向けて主体的かつ意欲的に活動している状態を指します。
この状態では、従業員は「やらされ感」なく業務に取り組み、部署や役職は関係なく、活発なコミュニケーションが生まれます。 結果として、組織全体の生産性が向上し、新しいアイデアがどんどん生まれる、しっかりとした組織の土台ができます。

目標設定が組織の未来を左右する理由

なぜ組織活性化に目標設定が重要なのでしょうか。会社(組織)の進むべき道がはっきりすると、それが全員の行動を一つにまとめる「道しるべ」になるからです。 曖昧なままでは、従業員は何をすべきか分からず、施策も一貫性を欠いてしまいます。具体的で測定可能な目標を設定することで、初めて組織は一体感を持ち、全社一丸となって課題解決に取り組むことができるのです。

項目目標設定がある場合目標設定がない場合
方向性組織全体で目指す方向が明確各自がバラバラの方向を向く
行動従業員が主体的に行動しやすい指示待ちの姿勢になりやすい
評価施策の効果測定や改善が容易成果が曖昧で評価が困難
モチベーション達成感が得やすく、意欲が向上ゴールが見えず、意欲が低下

活性化している組織に共通する5つの特徴

活力に溢れ、高い成果を上げている組織には、いくつかの共通点があります。自社の現状と比較しながら、目指すべき組織の姿を具体的にイメージしてみましょう。

経営理念やビジョンが浸透している

活性化している組織の最も重要な特徴は、経営理念やビジョンが従業員一人ひとりに深く浸透していることです。
経営層と現場の従業員が同じ価値観を共有し、事業の社会的意義を理解しているため、日々の業務に目的意識を持って取り組むことができます。これにより、組織全体の意思決定に一貫性が生まれ、強力な推進力が生まれます。

従業員が主体的に行動している

やらされ仕事ではなく、従業員が自らの意思で考え、行動する文化が根付いています。 組織の目標と個人の業務目標が連動しているため、従業員は自身の仕事が会社全体の成功にどう貢献しているかを実感できます。
この主体性が、予期せぬ問題への迅速な対応や、新しいアイデアの創出につながります。

円滑なコミュニケーションが図れている

部署や役職に関わらず、オープンで前向きなコミュニケーションが活発に行われています。 心理的安全性が確保された環境では、従業員は失敗を恐れずに意見を発信し、活発な議論が生まれます。
このような風通しの良い会社の雰囲気や文化 が、情報共有を促進し、迅速な意思決定を可能にします。

効果的な人材育成の仕組みがある

従業員の成長を組織全体で支援する仕組みが整っています。 OJTや研修制度はもちろんのこと、上司と部下が定期的に面談を行う1on1ミーティングなどを通じて、個々のキャリアプランに寄り添ったサポートが行われます。
従業員は自身の成長を実感できるため、エンゲージメントが高まり、組織への定着率向上にも繋がります。

高い生産性を維持している

活性化された組織では、業務プロセスに無駄がなく、効率的に仕事が進められています。 これは、従業員一人ひとりが常に改善意識を持ち、ITツールなどを活用して業務効率化を図っているためです。
結果として、残業時間の削減やワークライフバランスの向上にも繋がり、従業員がより働きやすい環境が実現されています。

組織活性化の目標設定に役立つフレームワーク

組織活性化の目標を具体的に設定するためには、実績のあるフレームワークを活用することが有効です。
ここでは、代表的な3つのフレームワークを紹介します。

具体的な目標を立てる「SMARTの法則」

SMARTの法則は、目標設定における重要な5つの要素の頭文字を取ったものです。
このフレームワークを用いることで、誰にとっても分かりやすく、達成可能な目標を設定できます。

要素英語意味具体例
SSpecific具体的か従業員満足度を向上させる
MMeasurable測定可能か従業員満足度調査のスコアを80点以上にする
AAchievable達成可能か現状の60点から現実的に達成できる目標か検討する
RRelevant関連性があるか従業員満足度の向上は、離職率低下という経営課題に関連している
TTime-bound期限が明確か次の年度末までに達成する

組織と個人の目標を繋げる「OKR」

OKRは「Objectives and Key Results(目標と主要な結果)」の略で、企業全体の高い目標(O)と、その達成度を測るための具体的な指標(KR)を設定するフレームワークです。
会社全体のOKRを基に、部署、チーム、個人へと落とし込んでいくことで、組織全体の目標と個人の業務が明確にリンクし、従業員の貢献意欲を高める効果が期待できます。

組織の現状を分析する「マッキンゼーの7S」

マッキンゼーの7Sは、組織を7つの経営資源(S)に分類し、それぞれの要素の相互関係から組織の現状を分析するフレームワークです。
「ハードの3S(戦略、組織構造、システム)」と「ソフトの4S(共通の価値観、スキル、人材、スタイル)」の観点から自社を分析することで、組織活性化に向けて取り組むべき課題を体系的に洗い出すことができます。

組織活性化の目標を設定する5つのステップ

フレームワークを活用しながら、実際に組織活性化の目標を設定していくための具体的な5つのステップを解説します。

STEP

現状の課題を可視化する

まずは、自組織がどのような状態にあるのかを正確に把握することがスタート地点です。従業員満足度調査やエンゲージメントサーベイ、従業員へのヒアリングなどを実施し、量的・質的両方のデータを集めましょう。 これにより、「コミュニケーションに課題がある」「評価制度への不満が多い」といった具体的な問題点が明らかになります。

STEP

目指すべき組織の姿を定義する

次に、現状の課題を踏まえ、どのような組織になりたいのか、理想の姿を具体的に描きます。この際、経営層だけで決めるのではなく、ワークショップなどを通じて従業員を巻き込み、共にビジョンを創り上げることが大切です。 全員の思いが反映されたビジョンは、”自分ごと化”され、目標達成への強いモチベーションとなります。

STEP

具体的な目標に落とし込む

定義した理想の姿を実現するために、何をすべきかを具体的な目標に落とし込みます。ここでは「SMARTの法則」や「OKR」といったフレームワークが役立ちます。例えば、「コミュニケーションが活発な組織」を目指すのであれば、「部署間の連携を強化するため、半年以内にクロスファンクショナルチームを3つ立ち上げ、月1回の定例会を実施する」といった具体的な目標を設定します。

STEP

目標達成の計画を策定する

設定した目標を達成するための具体的なアクションプランを立てます。誰が、いつまでに、何を行うのかを明確にし、役割分担を決めます。計画を立てる際には、現場の負担も考慮し、現実的なスケジュールを組むことが成功の鍵となります。

施策例担当部署期限KPI
1on1ミーティングの導入人事部・各部署3ヶ月後実施率90%以上
コミュニケーションツールの導入情報システム部6ヶ月後アクティブユーザー率80%以上
評価制度の見直し人事部1年後制度への納得度70%以上
STEP

定期的に進捗を確認し改善する

計画は立てて終わりではありません。定期的に進捗状況を確認し、目標達成に向けた軌道修正を行います。週次や月次のミーティングで進捗を共有し、問題が発生した場合は速やかに対策を講じましょう。PDCAサイクルを回し続けることで、施策の実効性を高め、着実に目標達成に近づくことができます。

組織活性化を成功に導くための具体的な施策例

目標を設定した後は、それを達成するための具体的な施策を実行に移します。ここでは、多くの企業で導入されている代表的な施策例を紹介します。

コミュニケーションを促す施策

組織内の風通しを良くするためには、意図的にコミュニケーションの機会を創出することが有効です。例えば、チャットツールや社内SNSといったITツールを導入することで、部署や場所の垣根を越えた情報共有が容易になります。 また、定期的な1on1ミーティングや、部署横断での社内イベントの実施も、相互理解を深め、信頼関係を構築する上で効果的です。このようなコミュニケーションは現場任せにしてもなかなか変化を促しづらいため、ワーク形式のコミュニケーション機会を管理者側で用意することでより効果最大化につながります。

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人材育成を強化する施策

従業員の成長は組織の成長に直結します。スキルアップ研修や資格取得支援制度を充実させることで、従業員の学習意欲をサポートします。 また、先輩社員が後輩を指導・支援するメンター制度は、知識や技術を引き継ぐだけでなく、新入社員の早期離職を防ぐ効果も期待できます。

適切な評価制度を構築する施策

従業員のモチベーションを維持・向上させるためには、公正で納得感のある評価制度が不可欠です。 企業の理念や行動指針への貢献度を評価する「バリュー評価」や、上司・同僚・部下など複数の視点から評価を行う「360度評価」などを導入することで、多角的で公平な評価が可能になります。

働きやすい環境を整備する施策

従業員が心身ともに健康で、能力を最大限に発揮できる環境を整えることも重要です。テレワークやフレックスタイム制度といった柔軟な働き方の導入は、ワークライフバランスの向上に繋がります。 また、人間工学に基づいたオフィス家具の導入や、リフレッシュスペースの充実は、従業員の満足度と生産性を高める上で効果的です。

【事例紹介】組織活性化の目標設定で成功した企業

最後に、組織活性化の目標設定に成功し、大きな成果を上げている企業の事例を紹介します。自社の取り組みの参考にしてください。

株式会社ビートレーディングの事例

ガイアシステムで研修実績のある株式会社ビートレーディングは、社員数の増加に伴う組織マネジメント力向上のため、半年間の「管理職研修」を導入しました。管理職の職務理解とスキル向上、組織内コミュニケーション強化を目標に設定し、研修を実施した結果、役職者が自身の役割を認識し、チームビルディングや指導方法を現場で実践するようになりました。また、情報共有の意識が高まり、共有ミーティングの開催が増加し、新入社員への丁寧な指導体制も整備されるなど、具体的な組織活性化を実現しています。

キヤノンシステムアンドサポート株式会社の事例

同社では、目標管理制度(MBO)を導入し、組織の活性化に取り組んでいます。期初に上司と部下が面談を行い、「何をどのレベルまでやるか」について具体的に目標を設定します。この際、部下が目標に納得することが重視されており、やらされ感をなくし、モチベーション高く業務に取り組めるように工夫されています。また、週次の1on1ミーティングを10年以上継続しており、日々の細やかなコミュニケーションを通じて信頼関係を構築し、評価への納得度向上と貢献意欲の醸成に繋げています。

サイボウズ株式会社の事例

同社は、従業員が自ら人事制度を設計することで、個々のニーズに合った働き方を実現しています。在宅勤務や副業の自由化など、柔軟なワークスタイルを導入した結果、従業員のモチベーションが向上し、離職率の大幅な低下を達成しました。従業員一人ひとりを尊重し、主体性を引き出すことで組織全体の活性化に成功した代表的な事例です。

まとめ

組織活性化は、企業の持続的な成長に不可欠な取り組みです。成功の鍵は、自社の課題を正確に把握し、従業員を巻き込みながら、具体的で達成可能な目標を設定することにあります。
今回紹介したフレームワークやステップ、そして企業の成功事例を参考に、ぜひ自社の組織活性化に向けた第一歩をご検討ください。

なお、ガイアシステムでは、組織活性化に関する研修やコンサルティングを多数実施し、さまざまな企業の課題解決をサポートしてきました。最適な取り組みを検討される際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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