人材開発支援助成金とは?メリットやデメリットを詳しく解説!

少子高齢化が進み労働人口が減少し続けている日本では、今まで以上に従業員一人一人の生産性を高めるための取組みが求められています。企業の経営者や人事担当者においては、現代のビジネスシーンで活躍できる生産性の高い従業員の育成に対して、課題を抱えている方も多いのではないでしょうか。人材育成を効率的に進めるための“人材開発支援助成金”は、人材開発を進めたい企業が利用するべき重要な制度です。

 

この記事では、人材開発支援助成金の基本概要、キャリアアップ助成金との違い、人材開発支援助成金を利用するメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

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人材開発支援助成金とは

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金とは、職業能力開発に必要な費用を一部、国が助成する制度です。正規雇用の従業員を対象に、仕事内容に関する専門的な知識や技術の習得を目的として実施されます。

つまり、人材開発支援助成金は自社の正社員を対象に職務に関連する研修を行い、それにかかる費用の一部を国が助成する制度のこと。

日本にあるさまざまな企業のうち、特に建設業や介護業など、専門的な技術や知識を必要としている企業は、深刻な人材不足に陥っています。人材開発支援助成金をうまく利用することで、育成に関する経費の一部や研修中の従業員の賃金の一部を補填することが可能です。

 

労働人口が減少し続けている日本では、従業員の確保・育成が急務の課題です。人材開発支援助成金を利用して最適な人材育成を行いませんか?

人材開発支援助成金とキャリアアップ助成金の違い

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金に似た制度に、キャリアアップ助成金という制度があります。

両者は混同され間違われることが多い制度ですが、それぞれで以下のような違いがあります。

内容対象目的
人材開発支援助成金正規雇用の従業員正社員の育成・教育
キャリアアップ助成金非正規雇用の従業員非正規雇用の従業員の待遇を正規雇用の従業員と同等に
近づけるための施策への支援

そもそも、人材開発支援助成金とキャリアアップ助成金では対象となる人材が異なります。
正規雇用の従業員を対象にしている人材開発支援助成金に対して、キャリアアップ助成金は非正規雇用を対象としています。

また、正社員の育成を目的としている人材開発支援助成金に対して、キャリアアップ助成金は非正規雇用の従業員の待遇を正規雇用の従業員と同等に近づけるための施策への支援となっているため、根本となる目的も異なります。

それぞれで対象者と目的が異なる点は、利用前にしっかりと把握しておきましょう。

人材開発支援助成金を利用するメリット

人材開発支援助成金

研修を行うことで助成金が支給される人材開発支援助成金ですが、訓練を実施し、助成金を申請する前にメリットを把握しておきましょう。

従業員の生産性が向上する

人材開発支援助成金を利用することで、従業員の生産性の向上が見込めます。
人材開発支援助成金の支給対象となる訓練では、従業員一人一人の生産性が向上するように、知識的・技術的な面で専門的なスキルを身につけることが可能です。

それにより、従業員が仕事を覚え、今までよりも効率的に働くことが可能となり、結果として生産性の向上が期待できます。

少ない負担で研修や訓練を実施できる

人材開発支援金を利用することで、企業は少ない負担で研修や訓練を実施することが可能となります。
たとえ中小企業でも、複数の従業員に対して仕事を覚えてもらうための研修や訓練を行うとなると相当な規模となり、受講する人数が増えれば企業の負担は多くなります。

しかし、対象となる研修や訓練を実施することにより、それらにかかった経費や、研修や訓練に参加した従業員の賃金の一部が助成されることになるため、大幅なコストカットにつながります。

受講する訓練と条件次第では、全額が助成されるコースもあるため、少ない負担で実施したいと考えている企業には重宝できる制度となります。

従業員と企業の底上げにつながる

人材開発支援助成金を利用することで、従業員1人1人の仕事に対するモチベーションの向上が見込まれるため、キャリアアップなどの意欲が芽生えるケースもあります。

非正規雇用の従業員を正規雇用へ変更するためのコースもあり、従業員一人一人の成長が結果として企業全体の底上げとなるのです。

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人材開発支援助成金を利用するデメリット

人材開発支援助成金

どれだけ便利な制度でも、いくつかの注意点やデメリットが存在します。以下では、人材開発支援助成金のデメリットを3つ紹介します。

申請に時間と手間がかかる

従業員の生産性がアップし、結果として企業の成長につなげることができる人材開発支援助成金ですが、助成金が支給されるまでには時間と手間がかかります。

人材開発支援助成金を申請するには、いくつかの必要書類に記入し、期限内に提出しなければならないため、手間がかかるということは覚悟しておかなければなりません。

一時的な立て替えが必要

実施した訓練にかかる経費や従業員の賃金の一部を助成してくれる人材開発支援助成金ですが、申請してから実際に支給されるまでには一定の期間が必要です。

そのため、一時的に企業が立て替え、負担するケースがあります。
少ない負担で訓練を実施することができる制度ですが、最低限の資金がなければそもそも訓練を実施することができません。

対象の訓練以外には助成金が支給されない

全部で8つのコースが用意されている人材開発支援助成金ですが、対象の訓練以外では助成金は支給されません。

また、対象の訓練であっても、訓練の実施時間や従業員の雇用形態、年齢や人数など細かい条件が定められている場合が多いため、申請の際は対象の訓練や支給条件などを入念にチェックしておく必要があります。

人材開発支援助成金が支給されるまでの流れ

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金を申請し、実際に支給されるまでの流れを紹介します。

今回は、申請が初めての企業でもわかりやすいよう、4つのステップで簡単に紹介していくので、これから申請を検討している方はぜひ参考にしてください。

STEP
訓練計画書を作成し、訓練実施の1ヶ月前までに労働局へ提出する。
STEP
訓練計画書に沿って、実際に訓練を実施する。
STEP
訓練終了の2ヶ月後までに、助成金支給の申請書を労働局へ提出する。
STEP
審査に通過すれば、助成金が支給される。

人材開発支援助成金の申請では、訓練計画書の提出や申請書の提出に期限が定められているため、必ず期限内での提出が求められます。

実施するコースによっては上記以外の書類の提出が求められる場合もあるため、実施するコースが決まり次第、厚生労働省のホームページをご確認ください。厚生労働省のホームページはコチラ

人材開発支援助成金のこれまでの変更点

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、令和4年に訓練が追加され、合計で8つの訓練が助成対象となりました。人材開発支援助成金は、これまでにいくつかの点が変更されています。

数年前と現在では異なる点も多いため、最新の情報を把握しておきましょう。

2017年の変更点

人材開発支援助成金は、2016年まではキャリア形成促進助成金という名称でした。

2017年に現在の人材開発支援助成金に名称が変更され改善しつつありますが、以前まではキャリアアップ助成金と名称が似ていることから、混同されることが多々ありました。

2018年の変更点

2018年には、当時いくつかに分かれていた助成金が全て人材開発支援助成金として統合されました。

  • キャリアアップ助成金
  • 建設労働者保育助成金
  • 障害者職業能力開発助成金

上記の3つの助成金も、当時までは1つの助成金として存在していましたが、2018年以降は人材開発支援助成金の一部として考えられています。

2019年の変更点

2019年には、教育訓練休暇等付与コースに長期教育訓練休暇制度が導入されました。従来までは、企業が雇用している正社員が自発的に訓練を受講するための数日以上の休暇制度を導入する際に活用する教育訓練休暇付与コースのみでした。

しかし、それに加えて数ヶ月以上の長期的な休暇制度を導入した場合に活用できる長期教育訓練休暇制度を導入し、最低でも120日間以上の休暇を付与するといった新しい制度が設置されることになりました。

また、特定訓練コースと一般訓練コースを受講する際に必要な書類にも、1点の変更がありました。
訓練実施機関が不正に関与していないということを証明するための書類として『訓練様式第13号(支給申請承諾書)』を提出することになり、訓練実施者が記入する必要があります。

2023年の進捗情報

2023年4月3日更新情報ー

雇用関係助成金ポータルで4月から電子申請が開始!

令和5年4月から雇用関係助成金を電子申請できる「雇用関係助成金ポータル」の運用が開始されました。これにより、電子申請できる雇用関係助成金の対象が拡大するため、多くの事業者がより手続きを進めやすくなります。

【2023年(令和5年)4月から開始の助成金】
キャリアアップ助成金 正社員化コース
トライアル雇用助成金 一般トライアルコース

【2023年(令和5年)6月から開始の助成金】
・労働移動支援助成金
・中途採用等支援助成金
・トライアル雇用助成金(一般トライアルコース以外)
・地域雇用開発助成金
・人材確保等支援助成金
・通年雇用助成金
・キャリアアップ助成金(正社員化コース以外)
・両立支援等助成金
・人材開発支援助成金

電子申請には「GビズID」の申請・取得が必要

電子申請を行うためには専用ID「GビズID」の申請・取得が必要です。
※事業主が社会保険労務士や弁護士等の代理人に電子申請を依頼する場合も「GビズID」の申請・取得が必要です。

【GビズIDとは】
GビズIDとは、法人・個人事業主に向けた共通認証システムのことで、GビズIDを取得すれば、ひとつのID・パスワードで下記行政サービスの全てにログインが可能です。GビズIDで利用できる行政サービス一覧(省庁・自治体)

GビズIDの取得はgBizID公式ホームページより行えます。

 

助成金活用の研修も、お気軽にご相談ください!

まとめ

人材開発支援助成金は過去にいくつかの変更点があり、申請には書類の提出や細かい申請条件もあるため、助成金の支給を検討している企業は下調べが必要です。
従業員の訓練を行うにあたり、その経費や賃金の一部を助成してくれる制度であるため、人材を育成したい企業は重宝できるはずです。

従業員のスキルアップや、生産性の向上が見込める人材開発支援助成金は、企業全体の底上げとしても期待できる制度です。

ガイアシステムでは、企業のニーズを100%反映させる『オーダーメイド研修』を実施しています。
話し合いながらカリキュラムを組むため、企業様が望んでいる通りの研修を実施することが可能となります。

また、ガイアシステムでは研修を行う講師の全員が社内講師となるため、企業にフィットする最適な研修が行えます。

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